こんにちは!ヒーリングサロン・ル プランタンへようこそ!

今日は前回の続きで、
「インナーアダルトの育て方」の続きをご紹介します。
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前回は、
①自分を認める力
②コントロールをある程度手放す力
についてお話ししましたが、

今日は、
③感情を感じる力
④ニーズを見分ける力
⑤限界と境界を設定する力
について簡単にお話しします。

まずは、③感情を感じる力ですが、
実はこれは、②コントロールをある程度手放す力に密接に関係しています。

困難な状況下に置かれている子供は、一般的に、
自分の内面や、周囲の環境をコントロールする事でなんとか適応しようとします。

中でも内面のコントロールでは、自分の感情を押し殺し、
自分の感情を出すことを恐れたり、違う感情にすり替えたりします。

確かに、その時はうまくやり過ごせたかもしれません。
しかし、それはまるで時限爆弾のように、後々になって、
突然怒りを爆発させることや、鬱を引き起こす元凶になるのです。

感情は、私たちが何を必要としているかを教えてくれる手がかりです。
それらにちゃんと向き合わないと、
歪んだ方法(過食・ワーカホリック・依存症)で埋めることになります。

感情はまた、健全な「境界」を設定するための指針になります。
不快な相手と距離を置いたり、要求にNOという時に必要です。

また、感情を表現することで、他者との繋がりやきずなを育てる事ができます。

自然な感情を感じるためには、まず、
あなたが子供の頃、どんな感情は表現してよくて、
どんな感情は表現できないと思っていたのか、
様々な感情を書き出したリストを作りましょう。
その感情を誰かと分かち合ったり、日記を書いたりして感じてみましょう。

この時、感情に良い悪いを判断することなく、感じることに専念します。


④ニーズを見分ける力

子供が自分のニーズに関心を持ってもらえると、
情緒的・心理的に成長していく事ができます。

ところが、内面をコントロールして、
自分の感情をないがしろにしてきた人は、
自分のニーズがわからなくなっています。

子供の頃に満たされなかったニーズに気づくためには、
「投函しない親への手紙」を書き、読み上げる事が役立ちます。

こうした手紙は、たくさんの強い感情を引き出しますし、
グリーフ(悲しみ)のプロセスを後押しするとともに、
子供時代のニーズが大人になっても持ち越されていることに
気づくことになります。

そのニーズを親はもう満たしてはくれませんが、
「自分は何を望み、何が必要なのか」を知る事ができ、
今度は大人になった自分が、それを満たす事が出来るようになるのです。


⑤限界と境界を設定する力

境界とは、あなたを他の人から独立した存在として区別するためのラインです。

子供の頃に、境界を尊重されない環境で育った場合、
情緒的、スピリチュアル、性的、人間関係、知的、身体の境界が侵され、
利用されたり、虐待やDVなどの暴力にさらされやすくなり、
自分には価値がなく、人間でとしてではなく、
誰かの所有物のように扱われることを許してしまうことになります。

しかしながら、
拒絶されることへの恐れ、承認欲求、怒りへの恐れが、
境界や限界を作ろうとするときに立ちはだかる大きな壁となります。

まずは、あなたが子供時代に体験した健康な境界と不健康な境界を書き出してみましょう。

この事が、今のあなたにどんな影響を与えているでしょうか?
また、境界を設けることについて、
あなたが手放したい信念とこれから持ち続けたい信念を分けます。
様々な境界のうち、強めたいもの、弱めたいものをあげます。
その課題を一番安全なものから順にリストアップしましょう。
そして、安全なものから始めましょう。

いかがでしたか?
どれも簡単ではありませんし、一度にはこなせるものではありませんが、
セラピストなどの力を借りるなどして、
根気よく取り組んでみましょう。

「インナーアダルトの5つの力」は、
日々を安全にいきていくための土台となり、
さらに複雑な回復上の問題に取り組む力になります。

これらを実践していくと、周囲に反応して生きるのではなく、
いつしか自然と自分の信念や決定に基づき、行動できるようになります。

そして、恐れや自己否定感に駆り立てられることなく、
自分が何に価値を置き、何を望んでいるのかを、
大切にできるようになるでしょう。

新しい生き方を支え、自分の幸せに責任を負い、自分自身で選択する、
これこそが、本当の意味で大人なのです。

「インナーアダルト」をあなたの中に育てましょう。
子供時代に遡り、心理的にもう一度生き直すことは、
生きにくい自分の人生を、
確かな自分のものとして歩き出す、第一歩となるはずです。


参考文献:クラウディア・ブラック『子供を生きれば大人になれる』